(前回の記事の続きです)
娘の白血病宣告を受けた日。
その夜は、長い長い夜でした。
娘はベッドの柵の中。
柵で囲われ、娘に添い寝すら出来ない状況がもどかしく、どうすることもできません。
私は仕方なく、少し離れた壁側のソファに付き添い用の布団を敷き、無理やり横になりました。
夜中に娘が起きて泣き出さないかを心配していましたが、ベッドに寝かせられたまま、微動だにしない娘。
貧血で元気がでない上に、診察、検査続きで泣き疲れ、疲れ果ててしまっているようでした。
いつもは夜泣きするのに。。。
心配で、何度も何度も往復し、娘の呼吸を確認していました。
どうか夢であって欲しい…
もし本当に現実ならば、
私の命と引き換えに、娘を助けてください…
本気でそう思いました。
長い夜が明け、泣いて目を覚ました娘がミルクを欲しがりました。
私の腕の中でミルクを一生懸命に飲んでいるその姿は、
いつもと変わらず可愛い可愛い存在、
希望に満ち溢れた、宝である赤ちゃんそのものです。
生まれたばかりの娘。
まさに人生これから…
この子に人生を歩ませてあげられないの?
私はこの子を失ってしまうの?
この子は助からないの?
どうして…、、、
せっかく生まれてきたのに、こんなことになってしまって、、、
痛くて怖くて、辛い思いさせて、本当にごめんね…。
次の瞬間ボロボロと涙が溢れ出し、
抑えきれずに娘の前で声を震わせて泣いてしまいました…
娘の前では明るく振る舞う!
私が不安定だと、それが娘に伝わる。
昨夜病名を告げられてから、母に言われたこともあり、娘の前では絶対に泣かない!と決めていたにも関わらず、涙が止まりません。
抱き抱えている娘にポタポタと滴をこぼしてしまう始末…。
こんな母親を見たら、娘はびっくりして泣き出しちゃうかと思い、早く冷静にならなければと思った矢先のことです。
昨夜から元気がなく、無表情だった娘が、ニコニコと、私を見つめ微笑んでくれたのです。
「ママ、私は大丈夫だよ」
娘がそう言ってくれている、、
心の声が聞こえた気がしました。
その顔を見た瞬間、私も思わず笑顔に!
「そうだよね、ママ、泣いちゃってごめんね。絶対大丈夫だもんね!一緒にがんばろうね!」
情けないことに、生後4ヶ月の娘に励まされ、希望をもらい、心から救われた朝でした。
それから間もなくして、娘は救急車で市外の大学病院へと搬送されることに。
移動にともない、病院の若い男性医師が付き添ってくれました。
何か気になることなどあれば何でも聞いてくださいと言ってくれましたが、聞きたいことは一つだけ。
娘は絶対助かりますよね?
…。
医師を困らせるようなそんな質問はとても出来ませんでした。
娘は長い移動中も大人しく、うつろげに目を開けたり閉じたりしていました。
とにかく娘の命が助かりますように…
何かの間違いでありますように…
そう祈るしかありませんでした。